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第1回講演会「Wound Care-実践的リハビリテーションアプローチ」
講演の内容(Course Description):
蓐瘡、潰瘍、熱傷などWound Careの実践的な治療法について、アメリカ合衆国シカゴで理学療法士として活躍しているRosaline Velasco氏を講師としてお招きしました。講義開催地は、東京の他に、埼玉県理学療法士協会西部ブロック勉強会、国際医療福祉大学にて行いました。
日本では理学療法士・作業療法士などリハビリテーション専門職種による創傷治療はほとんど行われておらず、発展途上にあるのが現状です。しかし、日本でもそのニーズは非常に高く、じょくそうや潰瘍に悩む患者さんのグループの中には、アメリカから理学療法士を招き、治療について指導を受けているという現実もあります。
今回の講師、Rosaline Velasco氏の病院では、理学療法士、作業療法士が創傷ケアのリーダー的存在であり、積極的に治療に関わっています。アメリカでは「治りにくい創傷をケアするのが、理学療法士の仕事」といっても過言ではなく、医師、看護スタッフ、栄養士などから構成されるリハビリテーションチームや、創傷ケアにおける理学療法士の治療手技は世界でもトップレベルにあります。
診療報酬の改定や医療法等さまざまな問題で、理学療法士が創傷ケアを行うことが難しいというのが現状でしょう。理学療法士として何をしたらよいか、医師や看護婦とどのように連携をとればいいのかもわからず、どうしようもできないことと思われているのが「日本の創傷ケア」なのかもしれません。
しかし、日本の救命救急士たちが、患者さんの命を救おうと、法を超えて気管内挿管を行い、それを支える人々と連携を取ってがんばっている姿に、深い共感と感銘を受ける医療従事者は、きっと少なくないと思います。ひとりひとりが、できることから少し創傷ケアに携わろうとしていく姿勢が将来の日本における創傷ケアを変えていく大きな力になると信じています。
遠く東北、近畿、四国、そして東海からもご参加頂けましたことを、本当にうれしく思っております。この場が、よりよい臨床を目指す方々の出会いの場にもなることを祈り、心ばかりではありますが、お茶とお菓子の時間も設けさせていただきました。
この講義につきましては好評につき、来年度も計画中です。来年度は、ご要望により蓐瘡の予防とリンパ性浮腫に関する実践的な治療についてデモンストレーションや実技中心の講義を現在計画中です。講義を各地の大学や勉強会に出向いて行うことも検討中です。出張講義をご希望の大学、団体の方は、電子メールにてご連絡下さい。
講師紹介(Instructor):
(Name)Rosaline Velasco氏
理学療法士。Sherman
Health Systems(アメリカ合衆国シカゴ)に 創傷ケア・整形外科系疾患の専門理学療法士として勤務。創傷ケアリハビリテーションチームのリーダー。 現在、Ola Grimsby
Institute DPT課程専攻。
東京講演(Tokyo meeting)
講演日(Date):平成14年4月20日(土)
時間(Time): 午後2:00~4:00
場所(Place):日本青年館(東京・新宿)